【目次】
Method(手法)『優位性あるルール』をもつために
Mental(メンタル・マインド)『ルールを淡々と繰り返す』ために
トレードにおいて『メンタル』は重要なのか?
『セルフイメージ』について
メンタル改善の実践
認知について
【認知再構成】
【行動的技法】
【スキーマの修正】
【パワーポーズ】
【イメージング】
【EMDRの応用】
【思考を強制的に止める(瞑想)】
【自信を持つ:肉体改造】
おまけ1:嫌な人への対処法
おまけ2:他人を変える方法
おまけ3:感情が溢れたら
おまけ4:『受容』について
【最後に】
結果を出せる方の特徴
何のために生きるのか?~トレードのその先~
はじめに
トレードの世界は参加者の90%が負け、5%が±0、そして残りの5%の勝者がすべてをもっていくと言われます。
FXでも株でも先物でもオプションでも仮想通貨(暗号資産)でも、すべてにおいて共通しているようです。
90%の敗者と5%の勝者の違いは何なのでしょうか? なぜ勝つことができないのでしょうか?
そして5%の勝者になるために、何が必要なのでしょうか。
トレードでは『3つのM』が重要といわれます。
・Method(手法)
・Mental(メンタル・マインド)
・Money(資金)
の3つですね。
手法だけ知っていても、またメンタル・マインドだけ論じてみても勝つことはできません。
Money(資金)は一旦置いておいて、Method(手法)とMental(メンタル・マインド)、このふたつは両輪として重要です。
そして、Method(手法)とMental(メンタル・マインド)を少し掘り下げますと、『優位性あるルール』を『淡々と繰り返す』ことで、それで資金が増えていきます。
しかし多くの方は、『優位性あるルール』を持ち合わせておらず、持ち合わせたとしても『淡々と繰り返す』ことができません。
前者について、『優位性あるルール』を持つためにはトレード技術の習得をはじめ、ルールの優位性の検証等、かなりの時間がかかります。
受験や資格試験の勉強と異なり、正解のない、頑張っても成長が見えにくく、それでいて絶対的な自由(ポジションを持つも解消するも自由)な世界で、なかなか勝てるようになれず、諦めてしまう方が多いのも致し方ないのかもしれません。
後者について、『プロスペクト理論(損失回避傾向)』という一言で片付けることもできますが、それでもその影響を受けない方もいらっしゃるのは事実です。
その違いは何か‥?
私自身はFXトレードで『優位性あるルール』を『淡々と繰り返す』ことができるようになるまで長い年月がかかりました。
本当に凡人だと思います。
しかし凡人だからこそ、勝てるようになるまでに必要なものを説得的に示せるのではないかと考えております。
また、現在は自らのトレードの傍ら、FXトレードに関するコーチングをさせていただき、受講生さんのサポートの中で、皆さんがつまづきやすいところ、そしてそのクリアの仕方というものを見させていただいております。
トレーディングコーチとしての経験を元に、実効性のあるものをお伝えできればと思います。
Method(手法)『優位性あるルール』をもつために
トレードは『優位性あるルール』を『淡々と繰り返す』ことで資金が増えていくことは前述のとおりですが、実は『淡々と繰り返す』ことが一番難しいです。
ですが、まずは『優位性あるルール』を持たないと始まりませんし、多くの方はこちらの方が気になると思います。
事実、私もFXで勝てていない時期は『手法・やり方』さえマスターすれば常勝トレーダーになれると考えていました。
しかしながら、どれだけ再現性のある勝てる手法・やり方を提供しても、必ず勝てるようになるわけではないようです。
それは【淡々とトレード】できないから、というメンタル面の問題もありますが、それ以上に『手法・ルールを信じられない』、また『それ以前に手法・ルールを理解できていない』という理由があるようです。
では、『手法・ルールを信じられない』『それ以前に手法・ルールを理解できていない』問題をどう解決するか。
それは『検証と実践』しかないと思います。
人間は、自分自身で納得したものしか信じられない性質があります。
トレードは生きていくために必須の【お金】をリスクに晒すことになるため、そのストレスは大きく、なおさらそうだと思います。
そのためには、ルールの優位性を確認する検証が必要です。
また、可能な限り、自らの手でつくった、自らの性格に合うような手法・ルールが必要です。
ただ、手法・ルールをイチから自分で作り上げていくのはとんでもなく時間がかかります。
そこで、何か土台になるもの、しかも相場の原理原則を押さえたオーソドックスな手法・ルールを一つマスターして、まずはそれを出来るようにする、さらには自分流にアレンジしていく、のがよろしいかと思います。
『相場の原理原則を押さえたオーソドックスな手法・ルール』という意味で、私がサイトでご紹介している『トレーニング手法』およびその原型である『ダウ理論の原則を踏まえたルール』をお勧め致します(後述します)。
トレードで勝ち続けるためには『値動きのイメージができる』必要があると、最近殊にそう思います。
それは値動きを予想・予測するのとは異なり、「ここを超えたらこう動くだろうな」という大まかな値動きのイメージが出来ることです。
これが出来るのと出来ないのでは雲泥の差があり、値動きに一喜一憂してしまうかどうか、更には自分が決めたポイントまでポジションを持っていられるかどうかに大きく関わってきます。
これはトレードコーチングを受けていただいて勝てるようになった受講生さんも仰っていましたし、Twitterで知り合って食事をご一緒させていただいた常勝トレーダーの方々も口を揃えて仰っていたので、間違いないと思います。
では、『値動きのイメージができる』ようになるにはどうしたらよいか。
それには『経験』が必要になると思います。
どれだけ過去チャートに当たっているか、どれだけリアルチャートで実際の値動きを見ているか。やはり『検証と実践』が必要です。
そして、『検証と実践』の前提として、基本的な知識が必要です。それは、
・ダウ理論(値の切り上げ切り下げ)の理解
・水平線を引くことができる(=節目を認定できる)
・トレンドラインを引くことができる
ことが挙げられると思います。
個人的には、トレードは『他者のギブアップ(損切り)探し』と考えていて、それを判断するために、ダウ理論、水平線、トレンドラインを利用しています。
その他、チャートパターン、波動、フィボナッチなども参考にしますが、まずはやはり先に挙げた3つです(波動の見方はトレードコーチングにてお伝えしております)。
なぜなら、ダウ理論(値の切り上げ切り下げ)、水平線、トレンドラインには、相場・トレードの本質である『相場参加者の心理』が現れているからです。
ではどうやってそれらを学べばよいか。さらには、どうやって『検証』をすればよいか。
まずは学びにつきまして、恐縮ながら弊サイトの『処方箋』のページをご覧ください。
次に『検証』ですが、こちらは『処方箋 検証・バックテスト』のページをご覧ください。
Mental(メンタル・マインド)『ルールを淡々と繰り返す』ために
次に、メンタル・マインドのお話です。
この部分がメインとなります。前述のとおり、トレードは手法・ルールを『淡々と繰り返す』ことが一番難しいです。
私は心理カウンセラー・セラピストとして、そしてトレーディングコーチとして、トレードのメンタル改善に特化したプログラムをつくりたいと考えておりました。
トレードにおいて『メンタル』は重要なのか?
しかし、そもそもトレードにおいて『メンタル』は重要なのか?
よく議論になると思いますが、個人的には『メンタルは絶対的に重要』だと考えております。
それは「トレードに必要な『3つのM』の中に含まれているから重要」なのではなく、自分の経験から、また、トレーディングコーチとしての経験から、メンタルは重要であるという結論に達しております。
しかしながら、確かに『メンタル』を論じなくても、改善しなくてもトレードで勝てるようになる方がいらっしゃるのも事実です。
私のトレードコーチングの受講生さんにも、そのような方がいらっしゃいました。再現性のある勝てる手法・やり方を提供するだけで勝てるようになってしまう。
面白いことに、『メンタルの改善を必要としない』方もいらっしゃるのです。そのような方からすると、「トレードにメンタルは無関係」という結論になるのもうなずけます。
では、メンタルの改善が必要な方、必要でない方の、その違いは一体何でしょうか?
そしてそもそもトレードにおけるメンタルの問題とはどのようなものでしょうか?
まず、トレードにおけるメンタルについて、「含み損に耐え忍ぶ精神力を身に着けましょう」「我慢する力をつけましょう」等の、『精神論だけのおそろしい改善策』を示す向きがあります。
もちろん、それらでは解決できず、耐え忍び、我慢(=抑圧)した結果、より酷い結果に繋がる可能性があります。
トレードにおけるメンタル的な問題・悩みとして、
損切りできない、ストップ位置を動かしてしまう、チキン利食い、チキン損切り、エントリーの躊躇、リベンジトレード、エントリーを待てない、飛びつき、オーバートレード、資金管理無視、等があるかと思います。
さらにもう少し広く捉えて、検証・バックテストが続かない、トレード記録が続かない、それらがそもそも始められない、
つまりは『ルールを守れない』『余計なことをしてしまう』『決めたことを守れない』というものがあるかと。
これらは、前述の、メンタル改善を必要としない方々にも、多少なりともあるようです。
しかしながら、彼ら・彼女らはその影響を受けるのが小さい。影響を受けたとしても早いタイミングで改善できてしまう。
私は先ほど挙げた問題・悩みをすべて経験していて、かつ改善にものすごく時間がかかりましたが、この差は何か。
結論から申し上げますと、『セルフイメージ』の差のようです。
『セルフイメージ』は『自己肯定感』とか『自己重要感』というふうに表現されることもありますが、ひとまず同じ意味と考えていただいて結構です。
メンタル的なダメージを受けても、早期に回復する力(レジリエンス)は自己肯定感の高さが為せる業です。
セルフイメージが低いと、トレードでの逆行、含み損、損切り(ロスカット)時に、裏切られた、ハメられた、騙された、バカにされた、軽んじられた、そんな『嫌な考え』が浮かび、そして怒り、恐怖、不安、あきらめ、絶望、といった『嫌な感情』に悩まされます。
さらには、「負けたくない、損したくない、儲け損ないたくない、置いていかれたくない」という、トレードの負けが人生を否定するかのような極端な思いが巡り、してはいけないこと、ルール違反に繋がりやすい傾向があります。
この問題をどう解決すればよいのか?
私は他人事でなく自分事でありましたので、なんとかしたいと様々な心理療法を学び、実践しました。
認知療法、行動療法、ゲシュタルト療法、イメージ療法、フォーカシング、ソリューションフォーカストアプローチ、エンプティチェアテクニック、NLP、EMDR、コーチング、そして私の専門である催眠療法(ヒプノセラピー)と、今回このカリキュラムを作成するために学び直し、対面でなくてもできる、また『トレーダーさんがご自身で取り組んでいただくことが出来る』ものを作成しました。
本来、心理療法は多くの場合対面で行うことが多く、少なくとも会話のやり取りがあるのが普通です。
出来ることが拡がるからです。
今回はテキストベースなので、もしかすると効果に不安を抱かれることもあるかと思います。
しかしながら、テキストベースであっても効果があるものを作り上げましたので、そこはご安心ください。
重要なのは『繰り返し実践していただく』ということです。
1~2回の実践で効果が表れて、以後のトレードが楽になる方もいらっしゃると思いますが、それでも最低2週間は続けていただきたいです。
続けていただければいただくほど効果が高く、気づくとセルフイメージが上がっていると思います。
ちなみに、心理療法で言うと『認知療法』がベースになっています。
認知療法は、クライアントの認知や行動に焦点をあてて、その変容を通して問題解決を図る心理療法で、最終的にはクライアントの自助を促すことを目的にしています。1970年代にアメリカで開発され、日本では2010年に保険点数化されています。
認知が変われば行動が変わる、行動が変われば結果が変わる、と言われますが、その『認知』です。
思考や気分を『記録』していく日記のようなものをつけていくことが多いのですが、トレードもトレーダーとして成長するには『トレード記録』が必須なので、親和性があると思います。
もちろん、認知療法だけでなく、他の療法のエッセンスを取り入れ、というかミックスして良いとこ取りをする形で作成したメソッドですので、一般的な、ベーシックな認知療法とは異なります。
ファイル名を『トレード療法』としていますが、普通に考えるとおかしなネーミングだと思います。
それは、「トレードをするための療法であって、トレードが療法ではない」からです。
しかしながら、個人的には「トレード自体が療法」になると考えています。
心理療法の中に『曝露療法』というものがあり、それは「不安を抱いているクライアントに敢えてストレスを感じる場面に曝されてもらう(安全な範囲で)」ものなのですが、トレードは非常にストレスのかかる行為です。
インパクトの大きい出来事は場合によってはトラウマを生むレベルかと。
そして不安を抱えながら、それでもその不安を乗り越えたい、という意思があるのは、ある意味一種の療法かと思います。
しかも、進めていく中でそれまで気づいていなかった(忘れていた)心の傷が癒えたりする。トレードは『心理療法』です。
と、ひとまず名前の是非は置いておいて進みたいと思います。
『セルフイメージ』について
その前に、セルフイメージについて。
もしご自分のセルフイメージが高くないと感じても、それは何の問題もありません。
セルフイメージはいくらでも、何歳からでも高めることが可能です。
それに、セルフイメージが高くないのはあなたのせいではありません。
『あなたは何も悪くない』
これは声を大にして申し上げたいです。
セルフイメージの核となる部分の多くは幼少期に作られますが、この時期に自分や周囲の状況を自身でコントロールすることは、まず不可能です。
家庭や学校の生育環境はひとそれぞれで、親・兄弟姉妹等の身内、学校の先生や友人から、否定的な言葉や自信を失わせるような言葉を投げかけられることがあったかもしれません。
心をえぐられるような、そんな辛くて苦しい仕打ちを受けたかもしれません。
それと、人は基本的にはネガティブな生き物です。
『安心・安全に生きるため』に最悪のことを想定しながら暮らし、変化することを嫌います。
トレードルールを守れなくて、トレード記録を継続してつけられなくて当然なんです。
あなたの意思が弱いのではなく、人として当然の行動なのです。
最終的には認知(考え方やその元となるもの)を変えていきましょう、というのが目標になるのですが、それはマイナス思考を正反対のプラス思考に、ネガティブなものを真逆のポジティブなものにしていこう、というものではありません。
プラス思考やポジティブシンキングがもてはやされますが、人間はそれほど強くないと思います。
むしろ弱いとさえ思います。
極端なプラス思考やポジティブシンキングには限界があります。
我々は経験的に世の中の理不尽さを知っていて、物事のよいところだけを見ることが出来ないのだと思います。
でも、少しずつなら変えていくことができる。
その方法を知る、そして少しずつ実践していくと、気づくと大きく変わっていると思います。
心に傷を抱えながら、よくここまで来られたと思います。
よく頑張ってこられました。
『人は強くない』
ここからスタートしていきましょう。
メンタル改善の実践
再度の疑問ですが、どうして決めたこと、ルールを守れないのでしょうか?
どうして衝動的な行動を取ってしまうのでしょうか?
そのような『行動』は『気分』によるものが大きいですが、その『気分』は、何かの状況が自動的にそのような気分にさせるのではありません。
状況(刺激)と行動(反応)の間に、『認知』というものがあると考えられます。
【認知について】
『認知』とは、『スキーマ(価値観・信念・観念)が元になった自動思考』のことですが、『状況(刺激)→ 自動思考 → 気分や行動(反応)』という式で表すことができます。
『自動思考』とは、その時々に浮かぶ考えやイメージのことですが、単に『思考』『考え』と考えていただいて結構です。
『スキーマ(価値観・信念・観念)』とは、自動思考よりも心の奥深くにある考えのことで、『自分や世の中に対する、一貫した捉え方』です。
ちょっとのことでは変わらないもので、スキーマは自動思考を左右する大きな力を持っています。
例えば、
ポジションを持った → 損切りになった(事実・刺激)→ 嫌な気分 → リベンジトレード
という流れの中に、
ポジションを持った → 損切りになった(事実・刺激)→ 自分はダメな人間だ(スキーマ)→ バカにしやがって(自動思考)→ 不愉快だ、取り返してやる(気分) → リベンジトレード
という形で、スキーマを元にした自動思考が入っています。
ネガティブな自動思考が浮かぶと、嫌な気分を味わいます。
それによってさらに嫌なこと、辛いことに目が向くようになり、ますます悲観的になったり、望ましくない行動を取ってしまったりします。
セルフイメージが高くない場合、スキーマがネガティブよりになっているため、ネガティブな自動思考が浮かびやすいことになります。
それを防ぐために、まずは『自動思考に気づく』ことが重要です。
そして、自分で考え方の幅を広げられるようになることが目標となります。
『トレード療法』ファイル をダウンロードして開いてください。
始めていきましょう。
実際に実践していただくこととして『トレード記録』をつけていただきたいのですが、実践していただく中で上記の自動思考やスキーマ、またその修正にチャレンジしていただけるようにしております。
『トレード記録』はトレーダーとして成長するために不可欠なものと考えておりますが、それは『自分のトレードを客観視して改善に活かせる』ためです。
それは技術(テクニカル)面でもそうですし、心理(メンタル)面でも当てはまります。
改善は気づくことから、認識することから始まります。記録・統計を取っていくと、共通点が見つかったり、特定の、同じように繰り返す考え・感情・行動が認識できます。
認識できるとおおよそのものがコントロールできます。
実践の仕方としまして、記録は日別に管理されるのがよろしいかと思います。
上部にその日のチャートのキャプチャを貼り付けて、その下に実際のトレード履歴を入れていきます。
キャプチャの中にトレードした部分が表示されているとより良いかと思います。
トレード履歴の記入は時間がかかるため、面倒な場合はこの部分もキャプチャ(証券会社のトレード履歴等のキャプチャ)で代用しても結構かと思います。
とにかく、なるべく面倒と感じることを減らし、心理的な抵抗を小さくして、続けられるように工夫してください。
しかしながら、以下に関しては面倒でもなんとか取り組んでみてください。
重要な部分になります。最初から完璧を目指さないでください。最初は上手くできなくて当然です。
サンプルのシート(私の実例ですが)を入れておきましたので、そちらも参考にしながら、少しずつ進めてみてください。
『トレード根拠』はトレードをする上で重要で、これがなければエントリーできません。
ちなみに、『エントリー前チェック』の部分はあくまで私にとって重要なもので、この部分はご自分に合わせて変えていただいて結構です。
【認知再構成】
トレード中に湧き上がった考え・思考・感情を、状況とともに記入してください。
ポジション保有中でもそうですし、エントリー前の、待ちの状況であっても同様です。
また、身体の状態や違和感にも目を向けてみてください。
そして、気分を一言で表現して、10点満点で点数をつけてみてください。
その中でもっとも点数が高い気分と、その気分の元となる考え(自動思考)をチョイスしてください。
その気分、自動思考が元で場合によっては望まない行動が生まれてしまうかもしれません。
気分は自動思考の影響を受けており、特に嫌な気分になった時の自動思考は、極端であったり偏りがあったりします。
自動思考はスキーマの影響を受けますが、これらは『考え方のクセ』のようなもので、極端なものや偏りがあるものは『認知の歪み』と呼ばれます。
『歪み』というと異常なものを想像されるかもしれませんが、単なる心理用語ですので、深く考えなくても大丈夫です。
それに、誰しもある程度の偏りは持っているものです。
また、エクセルシートには『認知の歪み』の例を掲載しましたが、必ずしもこれに当てはめて特定することが目的ではなく、「こんな傾向があるかな?」という形で、自動思考を見つけ出す参考にしていただければと思います。
次に、考え方の幅を広げる訓練ですが、まずは自動思考を様々な角度から捉えなおします。
そのための質問を挙げてありますので、回答してください。
さらに、その回答を元に、新しい考えを導き出してください。
そして、先の気分の再評価を行って、どうなったか確かめてください。
【行動的技法】
次に、新しい考えが、また新しい考えで浮かんだアイデアが現実に役立つかどうか検証するため、実際に行動してみます。
新しい考えで浮かんだ、理想に近づくためのアイデアを一つだけチョイスしてください。
そして、質問に回答し、実践してみてください。実践後の振り返りも忘れずに実施してください。
ひとまず、ここまでの作業を、トレード日誌として日々つけてください。
トレードしなかった日もつけていただきたいです。まずは2週間を目安に、記録をつけてください。
【スキーマの修正】
ここまで実践(最低2週間)していただいて、それでも何度も何度も同じ思考が出現するような場合、『スキーマ(価値観・信念・観念)』の修正にチャレンジした方がよい可能性があります。前述の通り、『スキーマ』は『自動思考』の生みの親だからです。
スキーマはポジティブなもの、ネガティブなものがありますが、ポジティブなものだけ、またはネガティブなものだけ持ち合わせているわけではなく、誰もが両方のスキーマを持っています。
ストレスを受けるとネガティブなスキーマの影響を強く受けるため、自分のスキーマを理解しておくと、ストレス場面での自己コントロールが容易になります。
ただ、スキーマは幼少期から時間をかけてつくりあげてきたものですので、修正にはそれなりの時間がかかります。
もっとも、大人になってからも新しいスキーマを持つことは可能ですので、自分の気持ちが前向きになるスキーマを持つことにチャレンジすることは大きな意味があります。
ちなみに、『修正』という言葉を使っていますが、ネガティブに感じているものを無理矢理ポジティブにしたり、真逆のスキーマを持つこととは異なります。
そのようなスキーマを持とうと思っても、それらを信じられないからです。
ですので、まずは「現状よりも少しだけポジティブなもの」、「心が軽くなるもの」を見つけていきましょう。
スキーマの見つけ方ですが、まずは記録に何度も登場する自動思考に注目してください。
それから、代表的なスキーマを挙げましたので、その自動思考が結びつくようなスキーマを選んでください。
代表的なスキーマをご覧いただき、心が大きく揺さぶられたり、身体の違和感を大きく感じるものがご自分のスキーマに該当する可能性もあります。
次に、認知再構成の部分でも登場した質問に回答してください。
ここで、最も重要な質問となるのは、
『本当はどうなったらいいですか? どうありたいですか?
『何の制約もなければ』を前提に、考えてみてください。』
です。
『トレード部門』と『人生全般部門』の大きく2つに分けて、考えてみてください。
これは、時間・お金・仕事、等々、制約・制限をすべてとっぱらって、自由に、思うままに、ワクワクすることをイメージしてみてください。
自由にできる時間とお金があったら、何をしたいですか?
将来的にも安心・安全が確保されているとしたら、どうしたいですか?
現状の苦しさに引っ張られずに(現状を一度置いておいて)イメージしてみてください。
単純に、『夢の実現』と考えていただいても結構です。
ここは、暗示療法(自己暗示・自己催眠・イメージングとも)を応用したものです。
実践の際に、4つのポイントがあります。
①ポジティブなものであること
②現在形であること
③具体的であること
④他者の介在がないこと
です。
①ポジティブなものであること
これは『否定しない』ということです。
『否定的な表現をしない』ことも重要ですし、『否定的な文言を使わない』ことも重要です。
例:「不安を感じずに~」は不可
②現在形であること
「~です」という言い切りの形にしてください。
望む状態が実現している形です。
例:「心穏やかに、トレードルールを遵守できています」
③具体的であること
抽象的なものよりも具体的なものの方が良いです。
例えば、「トレードルールを守れています」よりも、守れていないルールの具体的な部分を明確にして、具体的に表現する方が良いのですが、守れていないことがエントリーを躊躇してしまうことである場合、「躊躇せずエントリーできています」という文章が考えられますが、『躊躇(ちゅうちょ)』という文言がそれ自体ポジティブでないので、「エントリーチャンスがきたらスムーズにエントリーできています」という形で、ネガティブにならないように言い換えます。
その他の例:トレードを仕事にすることができました。好きなことを仕事にできるというのは本当に幸せなことだ。
④他者の介在がないこと
これは、自分だけで実現できるもの、ということです。
誰かに何かをしてもらったり、実現する上で他者の手助けが必要になるものは不可です。
他者はコントロールできないからです。
トレードでいうと、「ポジションを持ったら必ず順行する」「他のトレーダーが自分に追随する」等ですが、もちろん不可です。
なお、夢の実現を他者と一緒に共有したい場合、その方々の助けを必要とするものでなければ、ご希望の方を登場させていただいても大丈夫です。
例:妻と子どもと一緒に、南の島でゆったりとした時間を過ごせています。
【パワーポーズ】
もしどうしても思い浮かばない場合、過去の成功体験や絶好調だった時のことを思い出していただいて、その時の気分を表現するようなポーズ(パワーポーズといいます)をとってみてください。
感情は表情に引っ張られると言われますが、姿勢・ポーズにも影響されます。
心と身体は繋がっています。
【イメージング】
『トレード部門』と『人生全般部門』の大きく2つに分けて(作成は複数でも結構ですが、多すぎると集中できない可能性がありますので、3~5つ程度がよろしいかと思います。
実現できたら新しく作成)つくっていただき、次にそれを体感覚を使ってイメージしてください。
どんな場所で、何をしていますか?
何が見えますか?
何が聞こえますか?
どんな香りがしますか?
どんな気分ですか?
身体の感覚に目を向けてみてください。
良い気分であれば、しばらく浸ってみてください。
ゆっくり味わってみてください。
これを、最低1日1回、寝る前に実践してください。
複数回実践されるものもちろん大丈夫です。
脳はイメージと現実を区別できないといわれます。
脳に新しい回路を作成して、それを繰り返すと、それらが実際に実行できるようになります。
【EMDRの応用】
感覚を使ってイメージする以外に、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)を応用してイメージする方法も効果的です。
EMDRはPTSD(心的外傷後ストレス障害)やトラウマに対して効果があると言われています。
実際はトラウマシーンをイメージしながら眼球運動(セラピストが指を左右に動かしクライアントが指を目で追う)をするのですが、これは人が睡眠中に夢をみている時の眼球の動きと同様です。
人は夢をみることにより記憶や感情を整理すると言われますが、RMDRはこの作用を利用して記憶や感情を整理します(諸説あります)。
個人的には、昔ながらの振り子を使った催眠術のような形で、軽トランス状態に導いているのではないか、と考えております。
EMDRは基本的にセラピストが施術するのですが、ひとりでも出来ます。
その際、ご自分の指を動かして目で追っていただいても結構ですが、1~3分間手を動かすのは大変なので、『メトロノーム』で代用することも可能です。
本物のメトロノームを使っても結構ですし、スマホやタブレットをお持ちの場合、無料で使用できるアプリもありますので、そちらを使ってみてください。
iOSの場合『Smart Metronome』
Androidの場合『Very Simple Metronome』
がお勧めです。
80~120bpm程度の、お好みのスピードで、1~3分間実践ください。
※※※※※※ ご 注 意 ※※※※※※
前述のようにEMDRはPTSDやトラウマの解消に効果がありますが、ご自分で実践される場合、PTSDやトラウマ解消の目的では行わないでください。
PTSDやトラウマ解消がご希望の場合、信頼できるセラピストから施術を受けてください。
ご自分で実践される場合、イメージする内容は『夢』『希望』『実現したいこと』等、『ポジティブなもの』に限定してください。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
目安:最低3週間、可能な限り長期で続けてください(3ヶ月以上)
早い人は実践直後に変化を感じるようです。
【思考を強制的に止める(瞑想)】
ポジティブなイメージを持ちたいのに、ずっとネガティブなイメージ、思考が繰り返されてしまう。
すごく分かります。
そのような時は『瞑想(マインドフルネス)』が役立ちます。
瞑想は座って行うのが一般的ですが、座って静かに集中するのは非常に難しいですし、集中が途切れがちになると思います。
そこで有効なのが『歩く瞑想(歩行瞑想・歩行禅)』です。
身体を動かすものなので比較的集中しやすく、それでいて効果は高いです。終わってみると頭がものすごくスッキリしているはずです。
様々な瞑想手法がある中、個人的なお勧めは『ヴィパッサナー瞑想』の『歩行禅』ですが、ヴィパッサナー瞑想の第一人者である『地橋秀雄』氏がWebで書籍以上に詳細に説明してくださっています。
参考にされてください。
ステップ1
1. 足を軽く開いてまっすぐに立ちます。手は組んでも組まなくてもかまいません。大切なのは、足の感覚に意識を集中させることです。
2. ふだん歩くより少しゆっくりのスピードで歩き始めます。左右どちらの足からでもかまいません。
3. 右足から歩き始めた場合には、まず右足が動いた実感に対して「右」とラベリング(言葉確認)します。黙って心のなかの内語でやります。
4. 次に左足を一歩前に出します。「左」とラベリングします。足の動いた実感に対してラベリングをしないと、だんだん掛け声やマントラ感覚になってしまうので気をつけてください。
ざわついた心が落ち着くまで繰り返します。
ステップ2(歩行を2段階に分けて観察します)
1. 足を軽く開いてまっすぐに立ちます。
2. ステップ1よりもさらにゆっくり歩き始めます。
歩行感覚のどこにポイントを絞るかは自由です。足が上がっていく感覚か、足裏が離れていく感覚を感じるのが普通です。あまり高く上げる必要はありません。
3. 足が上がっていった感覚に対して「上がった」と1回ラベリングします。足が上がる感覚よりも、 足裏が離れる感覚を強く感じる方は、「離れた」と1回ラベリングします。
右足をゆっくり下ろし、足が下りていった感覚を感じます。床に着いたら「下りた」と1回ラベリングします。足裏の接触感を強く感じる方は「触れた」or「着いた」とラベリングします。
4. 左足も同じように足の上がった感覚と下りた感覚を感じたときにラベリングしてください。もしくは足裏が離れた感覚と床を踏んだときの接触感です。
ステップ3(ステップ2の歩行瞑想をさらに細かく観察します)
1. 足を軽く開いてまっすぐに立ちます。
ステップ2よりもゆっくりと右足から歩き始めます。 左足からでもかまいません。
2. 上げ終わったら「上がった」と1回ラベリングします。もしくは足裏が「離れた」とラベリングします。
3. 次に歩幅を小さめに取り「進んだ」とラベリングします。
4. 足を下ろして「下りた」、もしくは足裏が「触れた(着いた)」とラベリングします。
5. 左足も同じようによく観察してください。
*Uターンして方向を変えるとき
1. Uターンするときには、まず壁際で立ち止まり、直立している感覚を感じて「立っている」とラベリングします。
2. 次に体がターンする感覚を感じて「回った(or曲がった)」とラベリングします。
3. Uターンが終りました。もう一度、直立している感覚を感じて「立っている」とラベリングします。
4. また最初に戻り、足が上がった感覚に対して「上がった」、もしくは足裏が「離れた」と1回ラベリングします。
★注意①:歩きながら音が聞こえ、考えが浮び、気になるものがハッキリ眼に入ってきます。
そのときは立ち止まって、それぞれの現象に「音」もしくは「聞いた」、「考えた」「妄想」「雑念」「イメージ」、そして「見た」とラベリングします。
消えたら、また中心対象の歩行感覚に戻ります。
もし何か気になることやとらわれていることがあれば、サティを入れてもなかなか消えません。
逆に喧嘩相手のイヤな顔などがこびりついて心から離れなくなることもあります。
そのときは5~6回ラベリングしても消えなければ、足をドスンと踏んで強引に中心対象の歩行感覚に意識を向けてしま います。
「気にしている」「とらわれている」とラベリングしてもよいでしょう。
★注意②:歩行瞑想には、理想の型がある訳ではありません。
途中でフラついたら「フラついた」「よろめいた」とラベリングします。
「フラつき」「よろめき」と名詞形のラベリングでもかまいません。
★注意③:ラベリングを多用すると妄想は出にくくなります。
「上がった」「上がった」 「上がった」、「進んだ」「進んだ」「進んだ」と言葉が連続するので妄想や思考ができなくなるのです。
しかしその分マントラ感覚が強まり、体が動いたセンセーション(身体的実感)を感じづらくなります。
一長一短なので、臨機応変に 使い分けてください。
心は一瞬々々変化しますので、毎回ワンパターンのラベリングではとらえきれません。
常に「その瞬間」を即興で確認します。毎回、毎瞬、毎刹那、初心が大切です。
★ 注意④:実際にやってみると分らないことが次々と出てくるものです。
そのときのために瞑想会があります。正確にやらないと、ヴィパッサナー瞑想の真価が分りませんので、ぜひ瞑想会にお出かけください。
以上、『ヴィパッサナー瞑想 実践方法』より
もうひとつ、ものすごく簡単な瞑想をご紹介します。
それは、『目に見えるものを心の中で言葉にする』瞑想です。
例えば、書斎で実践するとして、「パソコンのモニター」「キーボード」「電卓」「スマートフォン」「時計」「蛍光灯」など、目に見えるものを心の中で言葉にするだけでOKです。
非常にシンプルなものですが、効果は大きいです。
ああでもないこうでもない、ああしていればよかったこうしていればよかった、もしこうなったらどうしよう~等々、「まずは止まらない思考をなんとかしたい!」という方にオススメです。
また瞑想(マインドフルネス)は気づきの練習にもなり、ご自分の自動思考や感情、体感覚にも気づきやすくなるメリットがあります。
集中力が上がったり、寝ても疲れが取れなかったり頭が冴えない(脳疲労)時もスッキリしますので、お時間がある時にぜひ取り組んでみてください。
【自信を持つ:肉体改造】
集中力や頭が冴える、というお話が出ましたが、同様の効果があり、また他に『健康』になり『自信』までつく、画期的な、それでいて簡単なメソッドがあります。
それは『肉体改造』です。
「え!? ダイエットとか筋トレとか、肉体改造に関わることって難しいんじゃ‥?」と思われた方もいらっしゃるかと。
そうなのですが、それは「我慢を強いる」場合です。今回ご紹介する方法は、『我慢しなくても大丈夫な肉体改造』です。
まったくもって全てを我慢しなくてよいか? というともちろんそうではないのですが、カロリー制限よりは圧倒的に自由です。
それは『糖質制限』です。
もうだいぶメジャーになっているので、今更感があるかもしれませんが、実践してみてあまりにも良いので、お勧めしたいと思います。
少し見づらいですが、上段が左から、体重 → BMI → 体脂肪率 → 筋肉量
下段が左から、内臓脂肪 → 基礎代謝量 → 体内年齢 です。
タニタさんは結果が甘く出るという説もありますが、それでも44歳近い(2019年8月時点)おっさんが、体内年齢が28歳と言ってもらえるのは嬉しいですし、自信になります。
LDL(悪玉)コレステロールがやや高めですが、HDL(善玉)コレステロールが高いので問題なく、健康体だそうです(保健師さんにみてもらいました)。
44歳近いおっさんの割には驚くほど健康体だそうで、それも自信になります。
そうです、自分の身体をコントロールできていることは自信になるんですね。
「どうしても自分に自信が持てない」と悩まれる方は多いですが、肉体改造から入るのもひとつの手かと思います。
ちなみに糖質制限以外は特になにもしておらず、たまに腕立て、腹筋、スクワット程度の軽いトレーニングをするくらいです。
『糖質制限』は難しいことはなく、糖質をなるべく摂取しないようにするだけです。
厳格な糖質制限の場合、野菜や調味料にまで制限を設けるようですが、糖尿病の治療をするわけではないので、緩やかな制限にとどめています。
具体的には、炭水化物(ご飯・パン・麺類)を減らす、間食しない(お菓子を食べない)、ただそれだけです。
家での食事は3食ともご飯・パンは食べず、ご飯・パンの代わりに豆腐を食べています。
ちなみに、朝・昼はほぼ決まっていて、
朝:ハムエッグorベーコンエッグorウインナーエッグ
昼:豆腐・納豆・ゆでたまご
です。
夜は作ってもらっているので日によってメニューが変わりますが、ご飯・パンは食べません。
こう言うとストイックに聞こえるかもしれませんが、慣れると全く問題ないです。
むしろ、炭水化物を多めに摂取した後の、眠くなる感じが不快(血糖値の乱高下が原因)で、ご飯・パンを食べるのが怖くなります(ちょっと極端ですが)。
とはいえ、完全に糖質の摂取を控えることは難しく、またそれを始めると食べるものが無くなってしまうので、一般的に糖質が糖質が多めと言われる野菜(根菜類)や、調味料で味付けされたものもいただきます。
外食の際も食べるものに気をつけますが、一人でない時はさすがに「糖質制限をしているから~」という理由でお店を選んだりはしません。
『ご飯・パン・菓子』を食べないだけの、緩い糖質制限です。
ですが、これが効果てきめんでした。
30代までは何を食べても太らず、168cm-58kg をキープできていたのですが、40代になり、さらに専業になって運動量が減ると一気に60kgをオーバー。。
これは健康的にもマズい、と減量作戦を練ったのですが、そこで出会って実践したのが『糖質制限』でした。
最近の通説通り、太る元は『糖質』で、脂質・たんぱく質では太らないんですね。
カロリー制限とは異なり、必要なカロリーは摂取する必要があるので、炭水化物を取らない分、脂質・たんぱく質(肉・魚・たまご・チーズ類)で補う必要があります。
お腹が空いたら積極的にナッツ類、チーズ、にぼし、ゆでたまごを食べています。
空腹を我慢せずに食べることが出来るので、心理的抵抗も小さく、続けやすいです。
最初の1週間はご飯を食べないことで寂しさも感じましたが、2週間もすれば慣れて、おまけにお腹が空かなくなりました。
ちなみに、実践から1週間で2kg、2週間でもう2kg落ち、3週間後には20代の頃の体重・体型を取り戻すことができていました。
みるみるお腹の肉が落ちていったのが印象的でした。
それと、睡眠の質が上がって、睡眠時間が短くて済むようになったのも良かった点です。
人は睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、日中に損傷した細胞の修復をしますが(疲労回復)、
血糖値が高いとこの成長ホルモンの分泌が妨げられるそうです。
糖質制限により血糖値が上がりにくくなり、成長ホルモンの分泌効率が良くなったのかと考えております。
『糖質制限』については、以下の書籍を参考に実践しました。
『マンガで分かる肉体改造 糖質制限編』(少年画報社)ゆうきゆう
『マンガで分かる肉体改造 糖質制限&肉食主義編』(少年画報社)ゆうきゆう
『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』(ダイヤモンド社)江部康二
「脳のエネルギー源はブドウ糖だけで、糖質を制限すると頭が働かないんじゃないの?」という疑問を持っていたのですが、それにも答えてくれました。
集中力が上がり頭が冴え、睡眠時間が短くて済むようになり、一日の時間が長くなるというメリットもありました。以前は7~8時間寝てもスッキリしなかったのですが、4~5時間の睡眠でスッキリ、朝自然に目が覚める感じです。
※※※※※※ ご 注 意 ※※※※※※
ご紹介した方法は基本的に個人の体験に基づきまとめたものです。
実践される際は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮していただきますようお願いいたします。
病気治療中の方やハードなスポーツ・トレーニングをされる方、プロスポーツ選手には合わない可能性があります。
特に、治療中の方は独断で実施せず、必ずご担当の医師とご相談ください。
また、糖質制限はダイエットにもなりますが、ダイエット目的ではされないほうがよろしいかと思います。ダイエット目的の場合、見た目や見た目に関わる数字のみにフォーカスされるので、健康が損なわれる恐れがあります。
あくまで、健康増進を目的に実践してください。
※※※※※※※※※※※※※※※※※
繰り返しになりますが、自分の身体をコントロールできていることは自信になります。
そして自信はヤル気を生み、前向きな気持ちにしてくれます。
また、新たな好ましいことを習慣化できると、それもまた自信に繋がります。自信というのは『自分は出来る、能力があると思える』状態なので、セルフイメージも上がります。
ここで『習慣化』につきまして。何か新しいことを習慣化したい場合、既存の習慣にプラスするとよいと言われます。
そして、一度新たな好ましい習慣が身につくと、次の習慣化もしやすいと言われます。
糖質制限は習慣というか、生きるために必要な『食事』に関わることですので、うっかり忘れてしまうということがありません。
また食べることを我慢しなくてよいので心理的抵抗も小さいですし、何より成果が目に見えるので、継続が容易です。
メリットが多い割に習慣化が難しくない糖質制限ですが、これを成功事例として、トレード記録の習慣化や、その他のチャレンジしたい習慣化の第一歩としてみてはいかがでしょうか。
【おまけ1:嫌な人への対処法】
嫌な人、苦手な人ってどうしてもいますよね。
性格が合わないというより、露骨に嫌なことを言ってくるような。
ベストセラーとなった書籍『嫌われる勇気』でおなじみのアドラー心理学のアドラーは、『人間の悩みは全て対人関係の悩みである』と言い切っています。
露骨に嫌なことを言ってくるような人は、劣等感の強い人です。
セルフイメージが低く、他人を貶して自分を高めることでしか自分を保てない気の毒な人です。
弱い犬ほどよく吠えると言いますが、弱い人なんです。
そんな人だと分かると可愛そうになると思いますが、それが『慈愛』であり、『受容』できるようになるかもしれません(『受容』については後述します)。
もっとも、無理に受け容れよう、許そう、としなくても大丈夫です。
トレード療法を継続してやっていただければ、いつの間にかあなたが変わっていて、気づかないうちに許せるようになっていると思います。
【おまけ2:他人を変える方法】
「他人を変える方法? 他人は変えられない、変えられるのは自分だけでは??」
確かにそうです。ですが、例外もあります。
それは、『自分が望むことを相手がしてくれた時、感謝すること』です。
感謝することは認めること(=受容)ですが、人の奥底には『安心・安全への欲求』とともに、『認められたい(承認)』欲求があります。
そこを徹底すると相手は変わってくれます。
ただ『絶対に変わって欲しい』『変えてやる』という気持ちがあるとそれが非言語で表に出てしまい逆効果になる可能性がありますので、『変わってくれたらいいな~』程度のお気持ちでやってみてください。
もちろん、自分を変えるほうが簡単なので、トレード療法の継続を。
【おまけ3:感情が溢れたら】
もしコントロールしきれないような感情が溢れてしまったら、ただただその感情を見つめてみてください。
コントロールしようとしないでください。
感情も理由があって出てきています。それを無理やり抑えて無かったことにしようとしたり、まったく違うものにしようとすると反発を招きます。
それは自身に置き換えると明らかで、頭ごなしに抑えようとされると反発したくなると思います。
出てきた感情は、尊重して認めてあげてください。
「そうだよね」「そう思うよね」
それだけで結構です。繰り返し出てくる感情も、「そうだよね」「そう思うよね」認めてあげてください。
余裕があれば、「本当はどうしたい?」と聞いてあげてみてください。
認めてもらえたことに満足した感情は、消化して、昇華されます。
行動の妨げになるような感情が『心のブレーキ』という言い方をされる時がありますが、ブレーキは必要だから付いているものです。
それを無理やり取ってしまったら大変なことになります。行動の妨げになるようなブレーキは、外すのではなく、認めて緩めてあげてください。
【おまけ4:『受容』について】
受容=受け容れることって難しいですよね。損失を受け容れることや他人を受け容れること、そして自分を受け容れること。
それは認めること、許すこと、手放すこと、良い意味の諦めです。
対概念は『拒絶』ですが、拒絶・抵抗がストレスを生みます。
受け容れられると楽に生きれるんですよね。自分のことを許せるようになると、自分以外のことも許せるようになります。
自分以外のことを許せる範囲は自分を許せている範囲で、それはバロメーターなのかもしれません。
そして、セルフイメージ(自己肯定感)が高まると、自己受容も上がります。
受け容れ(受容、自己受容)は自己肯定よりも上の概念だと思います。
自己受容のために、『心を強くする』『心を鍛える』のではなく、『心を柔らかくして物事を様々な角度から見る、考え方を変える』ことが必要なのだと思います。
受容 = 見方・考え方を変える = スキーマを変える 練習をしていきましょう。
一事が万事で、自分を受け容れられている = 自分以外も受け容れられている = 損失を受け容れる = 抵抗なくトレードルールを遵守できている
気づけばそんな状態になっていて、望む結果もついてきていると思います(私の経験です)。
【最後に】
肉体改造なども含めましたが、トレード療法についてお伝えして参りました。
療法を続けていただければ、設定した望むイメージが、ある日実現できていることに気づくと思います。
そこに到達するまでにどれだけの時間がかかるかは人それぞれですが、楽せず、近道せず、少しずつ出来る範囲で取り組んでいただければ、ある意味、それが一番の近道になると考えます。
結果を出せる方の特徴
最後に、トレーディングコーチとしての経験を元に、どんな方が結果を出しやすいか、お話させていただきたいと思います。
まずはよく言われることですが『素直である』ということです。
自分が師事した相手の言うことを疑うことなくまずは実践する。
その上で自分の環境や性格に合わせてアレンジできる。
『守破離』が出来る人ですね。
あと特徴的なのは、過去に何か(何でもいいのですが)ひとつのことに集中して打ち込んだ経験があること。
「好きこそものの上手なれ」と言いますが、好きなことは努力が苦でなく、自ずと上達が早いと思います。
そして「一芸は道に通ずる」と言われるように、ひとつのことに秀でるものがあると、他のことを始める時、上達が早い傾向にあると思います。
勘所というか、上達のコツを掴んでいるので、何をどうすべきかを知っているんでしょうね。
それと、我慢強いので諦めずに最後までやり遂げる、またその気持ちが強いのだと思います。
根性論で終わらせたくないですが、最後の最後はやはり『気持ち』だと思います。
もちろん、過去に何も打ち込んだ経験がないから成功できない、というわけでは無く、それはこれからつくっていけばよく、トレードでそれを実現させればよろしいかと思います。
強い気持ちがあれば大丈夫です。
冒頭で、『5%の勝者がすべてをもっていく』と申し上げました。
『5%』というと非常に小さいように思えますが、悲観することはありません。
『5%』で大丈夫なんです。『一番』にならなくてもいいんです。
プロスポーツであれば『一番』を目指す必要がありますが、トレードにおいては一番は不要で順位は関係なく、『勝てばOK』です。
しかもご自分の周りをみて当てはめてみてください。
トレード(投機だけでなく投資を含む)をやっている方は多いと思いますが、その多くは「楽して勝ちたい」「学ぶのは面倒」「手法さえ知れば勝てる」と考えて、聖杯探しをしている方ばかりです。
その中で、メンタル・マインドにまで目を向けて、学ぼうという意思を持ってこのページをご覧になる方は少数だと思います。
あなたは『5%の勝者』の中に入る資格があるお方だと思います。
相場の原理原則を押さえて値動きのイメージができるようになって、そしてご自分と向き合って、不安や過去に囚われずにルールが遵守できるようになって、結果に繋げてください。
『5%の勝者』に入りましょうね。
何のために生きるのか?~トレードのその先~
何のために生きるのか? 考えたことがあるかと思います。
また、答えが見つからず、悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
人は例外なく、幸せになるために生きていると思いますが、『幸せ』とは何でしょうか?
自分のやりたいことを思い存分やる、それは幸せだと思いますが、もしかするとある程度達成すると満足する、または虚しさを感じるかもしれません。
心理学の世界でよく言われるのは、「『貢献感』が幸せの元」というもの。
感謝されている、役に立っている、必要とされている、という感情・感覚です。
「人間は社会的動物である」などと言われますが、社会と離れて生きていくのが困難であるからこそ、人は人と繋がろうとするのでしょうか。
もしくは、「人は必ず死ぬ」もともと孤独な生き物である、と感じていて、繋がりを大切にするのでしょうか。
前出のアドラーは、『貢献感』を含めて『共同体感覚』と呼びました。
それを持てるようになるポイントは以下です。
①自己受容:自己肯定でない、ありのままを受け容れる、肯定的あきらめ。変えられるものと変えられないものを見極める、勇気。
②他者信頼:条件付きでなく、無条件で信じる、断ち切るかどうかは自分の課題。
③他者貢献:自分を捨てて誰かに尽くすのでなく、自分の価値を実感するためになされるもの。
そして、ありのままの自分を受け容れる【自己受容】からこそ、裏切りを恐れることなく【他者信頼】することができる。
他者に無条件の信頼を寄せて、人々は自分の仲間だと思えているからこそ、【他者貢献】することができる。
他者に貢献するからこそ、「私は誰かの役に立っている」と実感し、ありのままの自分を受け容れる【自己受容】できる。
と述べています。
幸福とは、貢献感である。
承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がない。
共同体感覚さえあれば、承認欲求は消える。
とも。
あなたの幸せは何でしょうか。
一歩立ち止まってみると、より良く生きるヒントが見つかるかもしれません。
私の願いとしては、あなたに『幸せになっていただきたい』これに尽きます。
『幸せ』の形は人それぞれだと思いますが、そのための手段として『トレード』を選ばれたのは大正解だと思います。
トレードには無限の可能性があります。
自分が想像もしていなかったお金を手にできる、ということだけではありません。
トレードに向き合う中で、自ずと自分と向き合う時が来ます。
その時の人間的成長は、金銭的な見返りを遥かに超えるものだと思います。
私自身がそう感じており、それがあったから金銭的な見返りがあったとすら思います。
『トレードで勝てるから生きやすくなる』のではなく、『受け容れられなかったものを受け容れて、生きやすくなった結果、トレードでも勝てるようになる』のではないかと考えております。
幸せになるためには『得る』のではなく『手放す』ことが必要かと。
なかなかのパラドックスですが、そこに真実があるように思います。
あなたに勝てるようになっていただけることは望外の喜びです。
(こんなことを申し上げるのは気が引けますが)勝てるようになるまで時間がかかったとしても、現在よりも少しでも、ほんの少しでも『生き辛さ』が解消してもらえると、それもとても嬉しいです。
良い人生を送っていただきたい、希望を持って充実した毎日を過ごしていただきたい、
心理カウンセラー・セラピストとして、またひとりの人間としての、切なる願いです。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
参考文献
『認知療法トレーニング・ブック』(遠見書房)竹田伸也
『はじめての認知療法』(講談社現代新書)大野裕
『解決のための面接技法』(金剛出版)ピーター・ディヤング、インスー・キム・バーグ
『ゲシュタルト療法―その理論と心理臨床例』(駿河台出版社)倉戸ヨシヤ
『エンプティチェア・テクニック入門』(川島書店)百武正嗣
『NLPの実践手法がわかる本』(日本能率協会マネジメントセンター)山崎啓支
『瞑想クイック・マニュアル』(春秋社)地橋秀雄
『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門』(春秋社)ウィリアム・ハート
『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)岸見一郎
『トレーダーの精神分析』(パンローリング)ブレット・N・スティーンバーガー
『マンガで分かる肉体改造 糖質制限編』(少年画報社)ゆうきゆう
『マンガで分かる肉体改造 糖質制限&肉食主義編』(少年画報社)ゆうきゆう
『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』(ダイヤモンド社)江部康二
Special Thanks
平本あきお(株式会社イノベイティア)
宮越大樹(株式会社アナザーヒストリー)
南裕(一般財団法人 日本催眠術協会 理事)
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